薪 割 り の 話
最初は、薪を作る中では薪割が一番大変だと思っていました。 でも、実際にいろんな作業をしてみると、伐採後の造材作業と林外への搬出作業が一番大変で、次が薪割の前の玉切り作業でした。(思った以上に、腰に効きます。) 薪割りも、コツの解らないのうちは力ずくで割るため、かなり腰に効きましたが、要領が解るとそれ程は力のいらない作業となりました。 |
<薪割りの道具> |
薪割りに使う基本的な道具は、斧と台、そして、割れ難い木を割る時に使うくさびと掛け矢です。 <薪割台> 最初は高さ30cmのものを使っていましたが、その後少し高い50cmのものに、最終的には60cmを使っています。 最初は、薪割り台のいろんな場所に斧が刺さったのですが、今はほとんど同じ所に落ちるので、一ヶ所だけが凹んでしまいます。 <斧> 斧については、色々な主張やこだわりを持つ人がいるようですが、私は主に和斧を使い、割り難いものだけハスクバーナの斧を使っています。銘柄にこだわる気は無く、木の素性によって重さで使い分けています。 また、割り方によっても選択が変わり、スピードで割る人は軽い斧で十分ですが、力の無い人は斧の重さで割るので、重い方を好む傾向があります。 素性の良い木は、2kgの和斧が軽くて疲れません。もっと破壊力が必要な木の場合は3kgのハスクバーナを使っていますが、刃先の鋼は和斧より柔いようです。それ以上の破壊力がほしい場合は、3.5kgのグレンフォシュが良いとは言いますが、何のことは無い、斧の重さと先端部分の鋼の堅さと角度で破壊力が決まっているようです。 また柄は長い方が良いと思っていたのですが、使っていた和斧の柄を10cm短くし70cm程にしたら、コントロールがし易く使い勝手が良くなり、まったく別のものになってしまいました。柄の長さが70cm位だと、コントロールし易くスピードが上げられるので、破壊力が増しました。 和斧の刃先の形状と研ぐ事も大事で、刃先を鋭角に変え時々グラインダーで研ぐようにしたらほとんどの木は和斧だけで済んでしまい、ハスクバーナの出番がますます少なくなってしまいました。 また、同じような和斧でも刃の形状が様々で先端部分が鋭角で鋼の硬いものの方が使いやすいです。 ただ、全ての木を斧で割ろうとしない事も大事で、こぶの部分や古木の根元部分などは、チェーンソーで切ってしまった方が体力を使わないで済みます。 |
<薪の割り方> 基本的な姿勢は、左右の足を軽く前後に開き、左手で斧の柄を握り、右手は添えるだけで握ってしまわない事が大事です。 (振り下ろし位置) 振り下ろし方は二通りあり、真上から振り下ろす場合と肩の上から斜めに振り下ろすやり方があります。 真上からの振り下ろしは左右にぶれ難く、狙いは定め易いのですが、斧を高く持ち上げるための力と振り下ろす時の力が必要になってきます。 斜め上からの振り下ろしは、持ち上げるのも楽で振り下ろす距離が長くなりスピードを上げやすいのですが、コントロールが難しくなります。 (両手の位置) どちらの振り下ろし方でも、持ち上げた時の両手の握りは数十センチ離します。 (振り下ろし) 振り下ろすとき、左手は下に引く方向に、右手は前方に押し出すように動かします。(右手は決して強く握らない。) 斧が10時の位置に来た瞬間だけ右手で強く押し出し、その直後に右手は力を抜いて左手の方に滑らせます。そうすると、斧が放物線を描いて落ちます。 ただ、真上からの降り降ろしは両手で振り下ろすようにしなければならないので、腰には効くようです。 当たる瞬間、左手は柄を握る力をやや強くしますが、右手は握らずスライドさせるので左手とくっつきます。 |
振り下ろす時の手の位置と力の方向 右手で斧をぶん投げる感じ |
木に当たるまで左手は握ったまま。右手は滑らせる | |
薪割り台の高さは、刃が当たる瞬間の高さが、腰位だとちょうど良い。 | 放物線を描くように落とせると、危険も少ない。 | 右手を強く握ったままだと、円弧を描き当たり損ねると自分の足に落ちて危険です。 |
<薪割りのコツ> 薪割りも、素性の良い真っ直ぐな木だけであれば良いのですが、そうは行きません。 一番大事なのは木の素性を読む事で、それが判らないと力ずくで木と格闘する事になります。 木は根元の方を上にし、亀裂に沿って割るのが基本です。 こうすると木の繊維に逆らわないので、割りやすくなります。 |
<木から出てくる生き物達> |
薪割りをしていると、いろんな生き物達が出てきます。 また、積んだ薪の間からはこれらの虫が気をかじる「カリカリ」と言う音が聞こえてきます。 これまでに写真の撮れた生き物達を紹介していきます。 |
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キマワリの幼虫 | キマワリの成虫 | |||
コガタスズメバチ | アカヤマアリは、蛹も一緒にいました。 アリ類は、結構木の根元の方で越冬しています。 |
桐の木を割ったら、クマバチが集団で越冬していました。 | ||
カミキリムシ類 | カミキリムシの幼虫 |