冬塒の解体
先週からの暖かさで、塒に帰ってくる個体が急激に減ってしまいました。 3月24日で、1,000羽を切ってしまいました。 その代わり、そちこちで巣作りのための枝を折るカラスが出没しています。 しかも、巣作りに適した場所をめぐって番(つがい)同士の争いも激しくなっています。 ハシボソガラスとハシブトガラスもお互いにそういった状態なので、どこをどういうふうに折り合いをつけるのか興味のあるところです。 とりあえず、冬塒はこれでお仕舞いとなります。 |
カラスの死と巣作り
塒にカラスの死体が有るという連絡を受けて、見に行きました。 そこには、写真のような2羽のカラスが死んでいました。 ともにこれという外傷は無く、1羽は昨年生まれの個体で、そこそこの体重は有りました。もう1羽は、数年経った成鳥で、こちらは軽かったので衰弱死だろうと思われました。 林内を探したのですが、他には見当たらなかったので、ともに自然死だろうと自然死だろうと考えられます。 |
林内は、下の写真のようにカラスの糞だらけで、夏ならば相当の匂いがすると思われました。 |
以前から気になっていたのは、ハシブトかハシボソか悩む個体が時折いる事でしたが、こうしてみると結構変異がある事を、改めて確認させられました。 右の若い個体の嘴は真っ黒できれいですが、左の成鳥の嘴は傷だらけで、磨耗による欠損部分も有りました。 |
数日前から、巣材を運び始める番(つがい)が見られるようになりました。 塒に帰ってくる個体数も、3割ほど少なくなったようです。 他の鳥たちもさえずりを始めているので、いよいよ本格的な巣作りシーズンの始まりです。 |
とりあえず落ち着く
そちこち騒いでいたカラスも、 とりあえず上の橋上流の杉林に落ち着いたようです。 それでも、落ち着かないグループがあり、夜中にさ迷っていますが。主力はそこに落ち着いたようです。 ただ、そろそろ繁殖期の前兆が見られるようになってきたので、後何日でこの塒が解消されるかが問題です。 |
彷徨えるカラス
とりあえず堤防の杉林に落ち着いていたハシボソガラスだったが、7日の夜12時頃に市街地の電線に現れた。 翌日は、いったん杉林に入ったものの6時過ぎには市街地の上空を飛び回り、結局電線で夜を過ごした。 ただ、個体数が1,000羽位と少ないのが気になって杉林も確認に行ったが、はっきりしなかった。 残りの2〜3,000羽はどこへ行ったのか? |
塒を追い出された一群れ
2月2日の夜に、騒ぐので様子を見に行きました。 すると、フードパワーセンター周辺の電線に留まっているでは有りませんか。 気になってバイパスの塒を見に行ったところ、声が無く、懐中電灯で追い出してやっと3羽が飛び出して、先程の群れの方に飛んでいきました。 たぶん住宅街なので、「誰かが追い出したのでは?」と想像しました。電線に留まっているカラスを拍子木のようなものを叩いて追い払っている人もいました。 堤防の群れが気になり、そちらの様子を見に行きましたが、まったく静かで気配も有りませんでした。バイパスの群れの声も聞こえるのですが、反応する気配はまったく有りませんでした。 懐中電灯で執拗に追い出すと、数十羽の群れが飛び出したので、こちらは就寝中だったようです。 飛び出した個体が帰ってこないので、末広町の杉林で追い出しをかけたところ、10数羽が動き出したので、こちらにもいたようです。 ただ、バイパスの群れは、堤防にも、末広町にも寄って来ないで電線に留まったままでしたので、群れとしては分裂していると言って良いだろうと判断できます。 結局、2日は下の3ヶ所を塒にしました。 |
2つになった群れ
結局、群れは2つになっていました。 一群れは、ベリーノホテルのあたりに集結し、暗くなるとバイパス西側の杉林へ、もう一群れは両磐酒造の屋根に集結し、堤防の杉林へと入っていく、と言う行動をしていました。 堤防の群れは、概算ですが1,500羽以上いました。12月に山目中学校の脇の杉林にいたとき、3,500から4,000羽と推定されたので、ほぼ半分に別れたことになります。 塒への進入コースを見ると、それぞれ交錯しているし、相互の塒を行き来する個体もあるので、生息地域によって分かれた訳では無さそうです。 いずれ、23日に市街地の電線で夜を明かしたときが分裂の過渡期だったのかもしれません。 |
群れが2つに分裂か?
1月29日から所在不明だったので、30日に探しに行きました。 群れが、バイパスと両磐酒造の屋根の2ヶ所に分かれていて、それぞれ電線などに止まっていました。(17:30) その後、19:00には両磐酒造の群れはいなくなり、付近の杉林に入った形跡も有りませんでした。 バイパスの西側の杉林にはいたのですが、個体数が少ない気がしました。 一ヶ所に集まったのか、未知の塒に移動したかは不明です。 |
また、冬塒が移動しました
1月23日、釣山のねぐらには居つかず、対岸の青葉町の通りの電線をねぐらにしました。 ここ数年、そういう傾向があり、ねぐらとなりそうな杉林も有るのですが、結局はそこに入る個体も無く、ほぼ全てが電線で夜を明かします。 |
電線をねぐらにするカラス。周辺の電線は、全てこういう状態。 | 主要幹線でも気にしない。太く見える線は、カラスがとまっている。 |
冬塒が移動しました
1月20日頃、ねぐらを移動しました。 今日現在は、釣山の西側にいます。全個体が移動したかは定かではありませんが、山目中学校やバイパス沿いのねぐらは素通りしています。 移動の原因は確認していませんが、たぶん人為的なものだと思われます。(人家の傍なので、追い出された。) 過去にも一時的に釣山に居た事はありますが、長期的に定住するのは難しいかもしれません。 |
ねぐら周辺で飛び回る | 一斉に飛び立つ |
カラスの冬塒(ふゆねぐら)
カラスは、繁殖期を覗けば季節ごとに集団で塒を作ることが知られています。 特に冬の塒はその中でも最大規模になり、秋の終わり頃から、ハシボソガラスの冬塒への集結が始まります。 一関のハシボソガラスも30年ほど前は、真滝の流通団地脇のコナラの林を塒にしていました。当時はまだ2,000羽ほどでしたが、その後、南光病院の後ろの林、そしてここ十数年は機織山の杉林を冬塒として使っていました。 しかし、ここ数年は個体数が増えたためその杉林には入りきれなくなり、数年間は市内を転々としましたが、ここ2、3年は山目中学校の校庭脇の杉林と一関バイパスの一関大橋の近くの杉林を塒にしています。 個体数も3,000羽を超えました。 ここに集まってくるハシボソガラスは、東は川崎村、西は須川岳、北は平泉町、南は花泉町あたりから毎日集まってきています。(サラリーマン カラス?) 近隣の冬塒は、東は千厩町にあり、北は前沢町です。南は確認していませんが、高清水町の塒と一関の間だろうと思っています。 市街地のため、塒周辺の住民とのトラブルを起こしていますが、最終的にどこに落ち着くかはここ数年様子を見ないと解らない状況です。 今年は、ハシブトガラスの塒を乗っ取るような行動も観察されました。 |
塒へ向かうカラスの群れ | 集まってきたカラス | |||
塒に入る前に、近くの木で休むカラス | 塒の木から飛び立っては、また戻る。これを何度も繰り返す。 |
ハシボソガラスの冬塒の変遷